車の磨き(ポリッシング)とは洗車傷・水シミ・浅い小傷

磨きは、クリア層を数ミクロン削って平らに整える作業です。 洗車傷(スワールマーク)や水シミ(ウォータースポット)を取り除き、深い艶を取り戻します。

濃色の車のフェンダーを機械で磨く施工者

車の磨きでできること

磨きに使うポリッシュ剤は、細かな研磨粒子を含んだ液体です。機械で塗装面に広げていくと、研磨粒子が塗装を削りながら次第に砕け、クリア層(色の上を覆う透明な層)のごく表面を平らに整えて、そこにある傷を消していきます。ワックスは傷を埋めて数週間目立たなくするもの、磨きは傷そのものを取り除くものです。効果が長く続くのはそのためです。

洗車傷が目立つ理由

洗車傷とは、クリア層に入った細かな擦り傷のことで、多くは汚れた洗車ミット、目の粗いタオル、洗車機のブラシによって付きます。一本一本はごく小さな傷です。しかし直射日光の下では、何千本もの傷が光を乱反射させるため、塗装面はくすんで見え、太陽の映り込みのまわりに円を描くような模様が浮かび上がります。

平らなクリア層に当たった光は、一方向に反射します。細かな傷だらけのクリア層では、光があらゆる方向に散ります。 平らなクリア層 くっきりとシャープな映り込み 洗車傷のあるクリア層 光が乱反射し、塗装面がくすむ
洗車傷が目立つ理由:傷の一本一本が、光をそれぞれ違う角度へ跳ね返します。模式図のため、縮尺は実際と異なります。

水シミ

シンガポールで洗車傷と並んでよく見られるのが、水シミです。雨水や水道水が塗装面で乾くとミネラル分が残り、強い日差しのもとではクリア層を侵食(エッチング)することがあります。付いて間もない水シミは洗車で落ちますが、侵食まで進んだものは磨いて取り除くしかありません。

磨きを予約

磨きで削られるクリア層の厚さ

新車時のクリア層の厚さは一般に35〜55ミクロンで、コピー用紙1枚のおよそ半分です。1回の磨き工程で削られるのは、通常そのうちの数ミクロンにすぎません。この余裕があるからこそ、大切に扱われてきた車は生涯に何度か磨くことができます。そして強い磨きを繰り返せば、いずれクリア層を削り切ってしまうのも同じ理由からです。

コピー用紙1枚 約100µm
新車時のクリア層 35〜55µm
1回の磨き工程 数µm
一般的な数値です。クリア層の厚さはメーカーによって異なり、削れる量はポリッシュ剤、パッド、機械によって変わります。

丁寧な施工者は、磨く前に電子膜厚計で塗装の厚さをパネルごとに測ります。膜厚計が示すのはすべての層を合わせた厚さですが、塗装の薄いパネルや再塗装されたパネルを見つけるにはそれで十分です。

磨きでは消せない傷

クリア層を貫いてカラー層まで達した傷は、削りすぎることなく磨きで消すことはできません。簡単な見分け方があります。爪が引っかかる傷は、磨きだけで消すには深すぎる可能性が高く、タッチアップや再塗装が必要です。飛び石による傷やへこみも、磨きでは直せません。

ポリッシャーと工程

作業の大半を担うポリッシャーは2種類あります。その違いによって、どれだけ速く削れるか、どれだけ失敗しにくいかが決まります。

項目ロータリーポリッシャーダブルアクションポリッシャー
動き方 一つの軸を中心に回転 回転しながら、偏心軸のまわりで振動
研磨力 高い 中程度
塗装面への熱 高い。パッドを常に動かし続ける必要がある 低め
オーロラマーク(ホログラム)のリスク 経験が浅いと高くなる 低い
主な用途 深い傷の除去、熟練者向け 磨きと仕上げの大半

作業は通常、段階を踏んで進めます。まず目の粗いコンパウンドで深い傷を取り、次に細目のポリッシュ剤で、コンパウンドが残したわずかなくもりを消します。状態の良い塗装なら、1工程で仕上げるワンステップの磨きで十分なことも少なくありません。

赤いスポーツカーのボンネットを磨くダブルアクションポリッシャー
塗装されたボンネットにかけるダブルアクションポリッシャー。
黒いポルシェ911を機械で磨く2人の施工者
磨きはパネルごとに、強い照明の下で行います。
  1. 洗車と下地処理

    入念に洗車したうえで鉄粉除去剤と粘土(クレイ)をかけ、パッドの下で砂粒を引きずらないようにします。

  2. 点検と膜厚測定

    すべてのパネルを強い照明の下で確認し、削る前に塗装の厚さを測ります。

  3. コンパウンド研磨(必要な箇所のみ)

    深い洗車傷や侵食した水シミのあるパネルに、目の粗いコンパウンドをかけます。

  4. 仕上げ磨き

    細目のポリッシュ剤で透明感を取り戻し、最初の工程で生じたくもりを取り除きます。

  5. 拭き上げと最終確認

    ポリッシュ剤の油分を拭き取り、照明の下で本来の仕上がりを見極めます。

磨いた後の黒いボンネット。映り込みがくっきりとして、洗車傷は見られない 磨く前の同じ黒いボンネット。円を描く洗車傷が一面に入っている
同じパネルを同じ照明の下で撮影した、磨きの前と後。

磨きを予約

磨きだけで終えるか、コーティングの前に磨くか

磨いたばかりの塗装面は、何にも守られていない状態です。最初の洗車から新たな傷や汚れが付き始めるため、磨きのあとには保護を施すのが一般的です。数か月もつワックス、あるいは数年もつセラミックやナノグラフェンコーティングです。保護は仕上がりを保つものであって、仕上がりを良くするものではありません。そのため、磨きが常に先になります。

磨きは塗装を削る作業なので、決まった周期ではなく、塗装に必要なときに行います。丁寧に洗車されている車なら、1〜2年に一度で足りることも少なくありません。この間隔を長く保つのが丁寧な洗車であり、それこそがコーティングメンテナンスの主な目的です。

磨きを予約

車の磨きに関するよくある質問

クリア層の中にとどまっている洗車傷、水シミ、浅い小傷は取り除けます。爪が引っかかるほど深い傷は、たいていクリア層を貫いているため、代わりにタッチアップや再塗装が必要になります。

新車時のクリア層は通常35〜55ミクロンあり、1回の磨き工程で削られるのはそのうちの数ミクロンです。事前に塗装の厚さを測り、丁寧に作業すれば、車の生涯で何度か磨くことができます。リスクが生じるのは、強い磨きを繰り返した場合です。

磨きはクリア層をごく薄く削り、傷をならします。ワックスがけは何も削らず、表面に保護層を重ねます。ワックスは浅い傷を数週間目立たなくできますが、磨きは傷そのものを取り除きます。

軽い磨きが必要なことは少なくありません。新車には、輸送や保管、納車前の洗車の間に傷が付きます。コーティングの前に軽いワンステップの磨きを入れておけば、そうした傷ではなく、きれいな塗装面をコーティングで封じ込めることができます。

状態の良い車に軽いワンステップの磨きをかける場合は、2時間ほどです。洗車傷の多い塗装を複数の工程で磨く場合は、ほぼ1日がかりになることもあります。

磨きの
ご予約

10:00〜22:00・水曜定休。
車種と郵便番号をお知らせください。

WhatsAppでお問い合わせ